PERIODONTAL 歯周病治療

PERIODONTAL 歯周病治療

歯周病治療

歯周病とは、お口の中の歯周病菌によって歯を支える歯茎(歯肉)や骨(歯槽骨)といった歯周組織が壊されていく病気です。
歯と歯茎の境目(歯肉溝)の清掃が不十分になると、そこに歯垢が蓄積され、歯肉の辺縁が「炎症」を起こします。
痛みはありませんが、放置すると歯肉溝はどんどんと深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯がグラつきます。
最悪の場合は抜歯が必要となる可能性もあるため、普段からのお口の健康管理が重要となります。

歯周病とは

歯周病の治し方とは?

一体なにが原因?歯周病の感染経路

生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には歯周病菌が存在しません。
しかし、もともといない歯周病菌がなぜお口の中にいるかというと、人からうつされているのです。
今も、家族の間でうつしあってる状態にあるかもしれません。回し飲みや回し食い箸の使いまわし、キス、くしゃみなどが感染ルートとしてあげられます。
菌が再びお口の中に入ってくると、お口の中で定着して歯周病を発症する可能性が出てくるということになります。
特に危険なのは性感染です。
せっかく歯周病を治してもパートナーからうつされたのでは意味がありません。パートナーの方と同時に治療なさることをおすすめします。

歯周病の感染経路

歯周病の進行段階

それでは、歯周病に感染すると、どのようにして歯周病は進行するのでしょうか?
下記は歯周病の進行段階をまとめた表です。

  1. 1

    カビが歯ぐきについて根を下ろし炎症を起こします。
    症状
    口臭、ネバネバ感
  2. 2

    炎症によって歯ぐきが腫れ、歯と歯ぐきの間の溝が汚れやすくなりカビがさらに奥で炎症を起こします。
    症状
    歯ぐきの赤み、時々出血する
  3. 3

    歯と歯ぐきの間にポケットができます。歯周ポケットといいます。ここに歯周病菌がたまり、
    炎症がひどくなり、骨が溶けていきます。
    症状
    骨はさらに溶け歯周ポケットはさらに深くなりさらに多くの菌がたまっていきます。
  4. 4

    骨はさらに溶け歯周ポケットはさらに深くなりさらに多くの菌がたまっていきます。
    症状
    歯が痛くて噛めない、歯が揺れて噛めない、歯ぐきがいつも腫れている
  5. 5

    最後には歯の周りに骨がなくなってしまい、グラグラになり抜かないといけなくなります。
    症状
    歯が痛くて噛めない、歯が揺れて噛めない、歯ぐきがいつも腫れている

あなたは大丈夫?歯周病が引き起こす5つの症状と検査

次に紹介するのは、歯周病の代表的な症状です。
当てはまっている項目がないか、今一度ご自身でチェックしてみてください。

  • 口臭が気になる

    歯周病が進行すると、血の臭いの混ざった生臭い口臭が発生します。歯間ブラシを使用した後のブラシが臭ったり、歯磨きをした際の歯茎からの出血が臭うという方は要注意です。

  • 歯茎が腫れる

    歯茎が腫れている方は、歯周病の前段階である「歯肉炎」になっている可能性があります。歯と歯の間などに食べカス等が溜まり、歯茎が炎症を起こして腫れてしまいます。むし歯やストレス・疲労などが原因で歯茎が腫れる場合もあります

  • 歯茎から出血・もしくは膿が出る

    歯肉炎を引き起こしている場合、ブラッシングや咀嚼時に刺激が加わることで出血してしまいます。ブラッシングが強すぎて歯茎が傷つき、外傷によって出血する場合もあります。

  • 歯と歯の間に食べ物がよく挟まる

    歯周病になると歯肉が痩せ、歯と歯の間の隙間が広がります。また、食べカスが挟まったまま放置していると、歯周病を悪化させる原因になります。

  • 歯がぐらつく

    歯周病菌が歯を支える「歯槽骨(しそうこつ)」を溶かすと、支えを失って歯がぐらつきます。歯槽骨の約1/3程度を失うと、歯がぐらつき始めると言われています。

気になったらクリニックで検査を受け、未然に症状悪化を防ぎましょう

上記の症状に1つでも心当たりがあったら、歯周病になっている可能性があります。
当院の患者さんも、ご自身が「歯周病」だと気づかないまま来院される方が多くいらっしゃいます。
痛みが出たり、症状が出たりする頃にはかなり病状が進行している場合が多いので、症状が出た場合には早めに検査することが重要です。

当院で扱う歯周病の検査方法は以下の通りです。
【歯周病の検査方法】 【検査内容】
細菌検査 患者さんのお口の中の汚れを少しだけ採取し、それを顕微鏡で観察することで、口内の菌の状態を確認します。
唾液検査 唾液中のヘモグロビン値と、LDH(乳酸脱水素酵素)の値を測定することで歯周病の有無や進行の度合いを調べます。
口臭検査 口臭測定器を用いて呼気の口臭物質を数値化して計測し、生理的口臭か病的口臭かを判断します。
歯周ポケット検査 プローブと呼ばれる目盛りのついたポケット測定器具を使用し、溝の深さから歯周病の進行度合いを調べます。
血液採取 慢性疾患のある方は、身体の状態と免疫力を把握するための血液採取を行い、効率の良い治療方法を立案しています。

歯周病の治し方

歯周病を治す3つの治療法

現在において、歯周病の治療には以下の3つがあります。

  1. 1.プラークコントロール
  2. 2.外科的治療(切開手術を伴う治療)
  3. 3.歯周内科治療

1のプラークコントロールは、昔から歯磨き指導と歯石を除去したりする歯のまわりのお掃除がどの医院でもされている基本的な治療です。
しかし、この基礎的治療をしても、一生懸命歯磨きしても、なかなか歯肉の炎症が取れず歯肉の腫れや出血・口臭で悩まれ、歯周病で歯を失う方がおられることも事実です。

歯周病を治す3つの治療法

また現在の歯周病治療は2のような外科的な処置が主流です。
しかしこれも、歯科医師が特殊な技術を持ち、患者さんも歯磨きがうまくできるという厳しい条件下でないと良い結果が生まれません。
ところが、21世紀に入ってからは歯周病を薬で簡単に治す3の治療法「歯周内科治療」が確立されました。
原因である菌を特定し、薬によってその菌を退治する事ができるようになったのです。
歯周内科という治療法は、どんな条件下においても同じ方法で、簡単に良い結果が生まれる方法はないものかと多くの歯科医師が知恵を出し合って生まれた最新式の治療方法なのです。

歯周病を治す3つの治療法

当院で行う「歯周内科治療」とは?

歯周内科治療では、患者様に大きな負担を要する従来の歯周病治療のオペレーション(歯茎をメスで切ったり、悪い部分を取り除く手術)を行う必要性を減少させることができます。

歯周内科治療の4つのポイント

この治療方法には4つの大きなポイントがあります。

  • 位相差顕微鏡での菌の確認
  • 細菌の除去薬剤の内服
  • カビの除去薬剤あるいはカビとり歯磨き剤での歯磨き
  • 除菌後の歯石とり

特に1は、非常に大きなポイントです。位相差顕微鏡でお口の中の菌を確認しなくてはなりません。歯周病菌がいるのか、カビが多いのか、あるいは非常にきれいなのか。
位相差顕微鏡で確認しないと、お薬の選択ができないのです。

1.位相差顕微鏡検査

顕微鏡検査では歯周病菌やカビ菌がほとんどの方に見られます。 われわれは患者さんのお口の中の汚れをほんの少し採取し、それを顕微鏡で観察。顕微鏡を見ることで、今現在の菌の状態を確認することができ歯周病になりやすいかどうか、今はどういう状態なのか、これからどういう状態になっていくのかがわかってきます。 さらに映し出された動画像を拡大表示する機能を用いることで治療効果のよりわかりやすい説明を聞くことが可能です

2.細菌の除去薬剤の内服

細菌検査では、バナぺリオという機器を使ってお口の中の細菌の量を計測することによって治療方法を選択致します。
また、治療前・治療後に細菌検査を行なう事によりどの程度効果があったか実感できます。
難治性歯周病の場合は、バナぺリオ検査よりも正確な菌の種類および量を測定できるPCR細菌検査を実施しております。
それにより歯周病に関係している菌を特定することができます。

3.カビの除去薬剤あるいはカビとり歯磨き剤での歯磨き

歯周病に関与している菌を特定したのち、その菌に効果のある内服薬を処方します。処方した薬剤は歯周病の患部へと塗布することで除菌していきます。また医療機関専売の歯磨き剤を提供し、自宅にて歯磨きを行っていただきます。

4.除菌後の歯石とり

同時に、口腔内の環境改善のため歯石除去ならびにPMTC(機械的清掃)を徹底的に行ないます。そうする事によって、いち早くバイオフィルムの除去と関与細菌の減少を促すことができます。

当院では歯周病の「原因菌」から取り除く治療を採用しています

歯周病を治す3つの治療法

歯周病を治す3つの治療法

近年、これまでの歯周病治療の根底をくつがえす「THP(トータルヘルスプログラム)」と呼ばれる考え方が主流となっています。
THPとは、言わば「お口全体の健康」を作り、さらに「全身の健康」までを生涯にわたって維持させるためのプログラムです。
当院ではTHPの考え方に基づき、歯周病の原因から排除する治療を提供します。― 今までの治療でなぜ歯周病が再発したか?日本の保険診療による歯周病治療では、お口の中の根の奥に付着している歯石を6回のステップに分割して除去してきました。
しかし、これでは歯周病を遅らせることができても、進行を止めることは出来ません。
一方、歯科先進国である米国などでは、お口の中の感染物質を1回の診療で除去し、細菌数を減らす方法が採用されています。

歯周病を治す3つの治療法

THPに基づく歯周病へのアプローチ
1.お口の中の感染源をなるべく短期間に低減させる事によって、菌バランスを良好に調整
2.定期的な健診(メインテナンス)によって良好な口内環境を維持し、再発を防止

当院においても、歯周病の悪玉細菌を除菌して根本原因から対処し、さらにプロバイオティクス(善玉菌を増やす薬剤)を使用して口腔内の環境を短期間に改善します。

THPに基づく歯周病処置の内容

THPにおける当院での施術は、すべて特別にトレーニングを受けた認定歯科衛生士が行います。
THPの処置内容は以下の通りです。

  1. STEP 1

    お口の中の写真撮影

  2. STEP 2

    除菌水を流しながら歯ぐきの上に付着している
    歯石除去・歯ぐきの下(主に根に表面)に付着している歯石除去

  3. STEP 3

    お口の歯周病菌を低減させるためのお薬の投与

  4. STEP 4

    プロバイオティクスの投与

  5. STEP 5

    3DSトレーと3DSペーストで除菌 ※1

  6. STEP 6

    歯質強化とむし歯予防のためにフッ素塗布

  7. STEP 7

    残石確認のためのCT撮影

  8. STEP 8

    口臭の原因となる真菌(カビの一種)を除菌するするお薬の使用

※1.THPでは、マウスピースの中に歯周病菌に効く抗菌剤を入れ、菌の繁殖を抑える3DS法と呼ばれるアプローチにより、自宅においてもケアを行うことができます。

※THPの施術回数は、歯周病の検査結果によって当院のDRと認定歯科衛生士が相談をして決定致します。

歯周病治療が終わった後の注意点 〜再発を予防しよう〜

カビ菌は口腔内常在菌といって、お口の中に必ず住み着いている菌です。
徹底的にやっつけても、空気中や食べ物や手の指などから再びお口に戻ってきます。全滅させることは不可能なのです。
ですから毎日の歯磨きと歯科医院における定期的なプロフェッショナルクリーニングが大切です。カビ菌が増えすぎると歯ぐきが腫れるなど、悪い影響が出てきます。また、カビ菌は歯周病菌の快適な住みかにもなりますので歯周病菌が再感染しやすくなります。
定期的に歯科医院に通って、歯周病菌が再感染していないかカビ菌が増えすぎていないか、顕微鏡で確認しカビ菌が増えすぎないように専用の器具を用いてクリーニングを行う必要があります。

歯周病治療が終わった後の注意点

  • 義歯
    義歯を使っている方は、義歯にもかなりカビが付きます。義歯の清掃もこれから非常に重要になってきます。
  • 虫むし歯
    カビは歯周病にだけ関与しているわけではありません。カビはお口の中で酸を出すことがわかってきていますのでその周りに歯があれば歯を溶かし、むし歯を作ってしまうのです。
  • タバコ
    今回使う薬は白血球が運んでくれる薬なので、たばこを吸うと歯ぐきの血管が収縮し、白血球が減少し、薬の効きが悪くなります。また、タバコは歯周病になりやすく、歯周病が治りにくいことがわかっています。

歯周病の招く全身疾患を防いでいくために

歯周病の原因菌が全身疾患に大きく関与しているのが医科でも問題になってきています。
カビが肺に入れば肺炎になってしまいます。歯周病菌も、わずかでもお口の中で出血を起こすとそこから血管に菌が入ってしまい、心臓で炎症を起こすのです。
歯周病の人が心臓病になる確率は2~3倍にあがります。ほかにも食道癌、糖尿病、早産、高血圧などにも関与しています。

歯周病の招く全身疾患を防いでいくために

歯周病が再発して全身疾患のリスクを高めないためにも、治療終了後は以下の3つのポイントに注意しましょう。

  1. 1.歯周病は細菌による感染症なので、再感染に気をつけましょう。特に性感染に気をつけましょう。
  2. 2.歯周病を起こす細菌が感染しにくいように、お口の中を清潔に保つようにこころがけましょう。
    つまり、歯石やカビ菌を定期的に除去して、そして毎日適切な歯磨きをしましょう。
  3. 3.歯周病をおこす細菌が再感染していないか、また、お口の中が再感染しやすい環境になっていないか、歯科医院での顕微鏡を用いた定期検診を受けるようにしましょう。

文章参照:「国際歯周内科学研究会監修」のパンフレットより

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